2004 スペシャライズド ロゴ


毎回ネタにつきないスペシャライズド。今回も面白いものが何点もありました。けど、あまりにそっちに気を取られ過ぎて、他の魅力的なモデルを撮影するの忘れた....

子供向けモデルのホットロックのボーイズモデル。
ファイアーパターンがそそります。
ホットロック 12 BOY \19,900
こちらはガールズモデル。色がはねちゃっていますが、手前のピンクは12インチ、紫は16インチ。それぞれサドルにネコさんとワンちゃんの絵が描かれております。
ホットロック 12 ガール\20,900
ホットロック 16 ガール\20,900
S-WORKS ENDUROのリアユニット。04モデルからエンデューロのFSRだけにブレインショックが装備されます。
ところでエンデューロシリーズ、デオーレキャリパーにXT8”ローターが付いていたけどそんなことして良いのだろうか?パッドの摺動域が全然違うんですけど....
今回の目玉の一つ、FOX FLOAT TRIADユニット。
今年のFOXはプロペダルというペダリングロスの少ないユニットになってきておりますが、スペシャライズドだけのTRIADは、ロック、フリー、プロペダルと3つのポジションを青いスイッチによって選ぶことができます。
S-WORKS EPIC FSRのリンク部。
今年モデルはこのリンクがカーボン製になりました。軽量化もさることながら、見た目もなかなかカッコよいです。ちょっとジェラシー。
そしてユニット部。
ブレインショックの感知値が03モデルの1G固定から0.5〜1.25Gへとアジャスタブルになりました。
そしてよく見ると軽量化のためにショックシャフトは肉抜きされています。うむむむ、ジェラシー。
そして新登場の
S-WORKS TARMAC \649,000
フレーム        \199,000
乗り味を決めるフレームの下半身はE5アルミを、しなやかさを求めるために上半身はカーボンというハイブリッドバイクです。
考え方としてはグレッグ・レモンと同じと言って良いと思います。
そしてもう一つのニューロードフレームがこのルーベ \199,000
こちらは更に快適性を持たせるためにフルカーボンです。
この写真ちょっとわかりづらいですが、写真の真ん中から左がルーベのシートステイ、右がフォーク。どちらもカーボンにはかわりありませんがよーく見ると真ん中の透明部分にはエラストマーが内蔵されており、通常のカーボンフレームより更にしなやかになっております。
そしてDEMO9 \599,000
フレームは   \349,000
たいそうなフレームです。パッと見、ただ単に複雑なスイングアームのDH or 飛び降り系フレームに見えますが、意味ありげなスイングアーム形状です。そしてユニットはカートリッジベアリングを介してスイングアームに取り付けられます。今までこういう方式はなかった。何でなかったんだろう?と思う今日この頃。
フレームにISCGと書かれております。ISCG対応のmrpが使えます。BBではさむタイプよりこのタイプの方が位置決めがしっかりするのでこれはありがたい。
なにげにリアエンドを見るとスルーアクスル。そして150ミリエンド。と言うわけでセイントを使用することはできません。ちょっと残念と言えば残念。
   
サスペンションユニットフレーム側取り付け位置を変えることができ、それによりBBハイトを変えられます。24”ホイールにも対応となっています。
   



”DEMO9を勝手に検証する”のコーナー

だいたいDEMO9、なんてあんな複雑なリアスイングアームなんだろう?30秒見ていてふと気付いた。以下、遊輪館ウエブ担当の勝手な推測。だけどちょっとワインが入っていて、思考回路もタイピングもちょっとヘロヘロ〜ンな状態なのであしからず。
違っているかもしれないし、合っているかもしれない。そしてこの件に関してはまだどこにも触れられていないことを祈るのみ。

まずあの写真を見て普通は「変なの」と思うでしょう。で、ずーっと見ているとだんだんわかってくる。
まずこのバイク、マニトウのスインガー6、そうSPVのユニットを使用しているのが大きなポイント。
このユニット、いわゆるカーナッツや5thエレメントと構造は同じ。ペダリングロスを低減できる(低速のコンプレッションダンピングを上げることができる)のが大きな特徴。
その仕組みは、コンプレッションダンピングを司るSPVバルブというのがあって、これは同心円の2重バルブになっているのが大きな特徴。外周側がバルブによって隔たれた左右の圧力差によって開閉する。開くということはオイル通路面積が増えることを意味するのでコンプレッションダンピングが下がるということ。
さて、ペダリング程度の動きでは、サスペンションユニットのピストンスピードは遅いので、バルブによって隔たれた左右室の圧力差はほとんどなく、SPVバルブは閉じ、オイル通路は狭くなりダンピングは高まり無用な動きは減るのでペダリングロスが激減する。
が、ここでバンプなどの大きな衝撃を受けると、サスペンションユニットは一気に動き出し、ピストンスピードは速まるので、SPVバルブの左右室に圧力差が生じ、その圧力差によりSPVバルブ(同心円状バルブの外側)は開き、通路が広がるのでオイルは流れやすくなりコンプレッションダンピングは低下する。と、ユニットは動きやすくなるわけでしっかり衝撃を吸収する。これがSPVバルブの特徴。
更に言えば、ストロークの後半はバンプラバーがあるのでユニットの加速度は減り、これすなわちピストンスピードが下がることを意味し、これすなわちSPVバルブの左右の圧力差が無くなってくるのでバルブが閉じ減衰力が高まり最後のふんばり感を出す。
以上あくまでもユニット単体でのお話。

さて、そんな特徴のユニットが出てきたので、複雑なリンク機構のサスペンションでなくても、モノピボットのスイングアームでもさほどペダリングロスを感じなくすることができるようになった。
しかしこのユニットを安易に4バーリンケージタイプのスイングアームに採用すると思わぬ落とし穴が出てくる可能性がある。

と言うのも4バーリンケージタイプでは各ストロークにおける瞬間回転中心は、リアハブとメインピボットを結んだ線の仮想延長と、リンクの仮想延長線との交点になり、その瞬間回転中心はストロークによって異なる。リンクの角度設定によってプログレッシブ特性を決めやすい。
ここで言うプログレッシブ特性というのは、「後半で踏ん張る」などとよく言われる特性を出すために、ストローク後半でユニットを加速しピストンスピードを速めてコンプレッションダンピングを高め底突きしないようにすることである。そう、ダンパーは動いてナンボである。動かなきゃダンピング力は発生しないし、素早く動かなければダンピングを発生しないのである。よって、短いユニットをレバー比で稼ぎ、見かけ上のホイールストローク(ユニットストロークではない)だけを稼ぐようなユニットでは、ユニットストロークが短い上にピストンスピードも遅くなるのでレベルの高いダンピングを求めるのはとうてい無理な話である。ので、最近のユニットはみんなでかい。と共にユニットストロークが増えている。クロカン系のフルサスでもユニット長(ユニットストローク)はちょっと前の下り系バイクより長いくらいである。

さて、そんなマニトウスインガー6とリンク式サスペンションを安易にドッキングしたらどうなるだろうか?
ここまでのウンチクを読んでいてさっぱりわからなかった方や、わかったような気がしている程度の方は「最高じゃん」と思うでしょう。
逆にしっかり理解された方は「ヤバイじゃん」と思うはずである。
なぜヤバイか。

SPVバルブを装着したマニトウスインガーはSPVを隔てた左右室の圧力差(と言うよりピストンスピードによって生まれる圧力差)によってダンピングコントロールの多くを依存しているということを始めに説明した。わかりやすく言えば速い衝撃が加わるとバルブが開いてストロークしやすくなり、ゆっくりの時には動きづらくなる。
ところでリンク式サスペンションの場合、後半のふんばり感を出すためにユニットを加速させるようなリンク角度になっていてしっかりダンピングさせてやっている。
と言うことは、リンク式サスペンションに安易にSPV方式のユニットを採用した場合、後半で踏ん張って欲しいところでユニットスピードが速まりSPVバルブが開き減衰力を発揮しなくなり、これじゃ踏ん張ってくれないサスペンションになってしまいがちなわけである。これじゃマズイ。

と、ここまで前振りふっておいてDEMO9。
よーく見ると、リアホイールは今までのスペシャライズド社の4バーリンケージタイプ方式と同じチェーンステイ(と呼んで良いのだろうか?)にリアホイールが装着されているので、リアホイールの軌跡は上記で説明した仮想の瞬間回転中心による(しかもこの中心はストロークにより動く)ので、リンクの設計によっては非常にペダリングロスの少ない位置に仮想瞬間回転中心を持ってくることができるので、ロングストロークでありながらペダリングロスの少ないコギを実現できると思われる。
で、リアユニットはリアホイールと異なり”チェーンステイ”から立ち上がっているアームに装着されている。チェーンステイに直付けされていると言うことは、ユニットはチェーンステイのメインピボットを中心とする回転運動を行うことになり、リンク式サスペンションに見られるようなストローク後半でユニットを加速させはしない。

と言うことは、リアホイールはスペシャライズド社の4バーリンケージ方式によりストロークによるチェーン長さの変化が少ない、すなわちペダリングロスの少ない動きをし、更にSPVユニットの特徴であるペダリングロスの低減をも期待でき、そしてストローク後半ではSPV方式のダンパーと直押しタイプのユニット配置により理想とされる後半のふんばりが期待できるという夢のような?方式だったりするのである。
問題は重量か??

さて、そんなDEMO9、展示会場でまたがってきました。
6WAY ADJUSTABLEなので、セッティングにより良くも悪くもなってしまうのだろうけど、またがった瞬間「ふわっ」と沈んでくれて、ぐわんぐわんリアに体重をかけるとすごく懐の深い「うわぁ〜」って感じの良い動きをしてくれました。

っていうのをもっと検証したい....からどなたかご購入いただけないかなぁ....


以上勝手な推測でした。この検証が正しいかどうかは保証しません。


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