2005logo試乗会

2月14日 MADONE SL 5.9の疑惑を晴らす 追記

先日一部の販売店向けにトレックの試乗会がありました。弊店のスタッフが行ってきましたのでその感想を代筆します。乗った順番に書くので順番によっても乗り味が変わってしまう恐れがあることも考慮してください。
参考までに走った場所はTBS緑山スタジオ周辺の舗装路&未舗装路、普段乗っているバイクは LOOK KG481SL+7800デュラエース仕様や弊店のスペシャイラズド S-WORKS EPIC FSR+960XTRやトレック LIQUIDE30+ごちゃ混ぜ仕様です。脚力やテクニックは・・・・平均的とでもしておきましょう(^^;
なお試乗車はサンプル車であり、実際に市販されるモデルと異なる部分もあるかもしれません。

TREK MADONE SL 5.9 1号(と言うことにしておこう)  560000円也
まずは様子見。ふむふむ。さすがに軽い。

TREK MADONE SL 5.9 2号 560000円也    MADONE 5.9 SLが2台あったので、便宜上こっちを2号車と呼ぶ。
1号よりゴツゴツ感あり。ダンシングも何となく重い。ハンドリングの軽快感も劣る。なんでだ?

TREK MADONE 5.2    370000円也
今までのバイクと比べると重量は重く感じるが、走った感じでは2号よりいい。サイズの違いか?
乗り心地も2号よりいい。

なんかよくわからなくなってきたので頭をリセットさせるべく再度1号に乗る。
軽い!軽さが違う!シャキッとしている。
軽快で気分がいい。2号より軽さのある乗り味。路面からの振動、跳ねる感じはある程度あるが、乗り心地悪いわけではない。タイヤの音さえも違う。とにかく軽い軽い!

TREK PILOT 5.9      450000円也
ハンドルの高さによるのか切れ味は劣る。直進性もMADONN SLの方がビューッと行く感じでよい。しかし楽なポジションでカーボンのしなやかな乗り味を味わうことができる。パンフレットの写真では7800のクランクが使用されているが、ボントレーガーのコンパクトクランクが使用されている。スペックはもちろんボントレーガーのコンパクト。

KLEIN RAVE XX      400000円也
リアシートステイにあるエラストマーの効果は絶大。超快適。走りながらエラストマーを触ると動いているのがよくわかる。あまりにリアが快適すぎてフロントのゴツゴツ感が気になるくらい。お尻、腰にやさしい。コギ出しのひとコギでたわむ感じがわかる。かといってフニャフニャではない。
シャキッと芯が通っているのはPILOTの方。しかしPILOTで感じた腰高、ハンドルが高いという感じはない。切り返しも意外と軽快。降りてバイクをグイグイ地面に押しつけるとエラストマーは結構ソフト。

TREK TOP FUEL 110   540000円也
とにかく軽い乗り味。ソフト。タイヤの抵抗も少ない。快適快適、そして軽い。ホントに軽い。これだけ高いのにどうしてあんなにも人気が高いのか納得できる感じ。トータルではベスト。

KLEIN PALOMINO XV   420000円也
前後マーベリックサスペンション。ちょっともっさりと感じる動き。

KLEIN ATTITUDE V    200000円也
ハードテールなので登りはグイグイと進む感じ。実際重量も軽いし、フロント浮かせるのは楽勝(注:この人はトライアラーでもあるので)。しかしオフロードでは最近の良くできたクロカンフルサスの方が好印象。

GARY FISHER PARAGON 200000円也
近頃話題の29インチ仕様。しかしあくまでもハードテール。ホイールのせいか自転車が大きく感じる。タイヤが目の前にあり異様。しかし下りの安心感はあり、また木の根も気にせずガンガン行ける。なかなかいいかも。しかし背の低い日本人にはどうか・・・・

TREK FUEL EX9       380000円也
FUELの延長という乗り味。FUELに比べるとソフトな乗り味。EX9の後にTOP FUELに乗り換えると、TOP FUELはあまり動いていないと感じるくらい。

TREK LIQUIDE 25      280000円也
弊店の初期型リキッドがかなりいい走りをしてくれるので興味津々。
マニトウSPVの影響かリアの作動感イマイチ。フロントのニクソンもゴツゴツとした感じあり。あれだけいい動きをしてくれるマニトウSPVなのにイマイチに感じた。セッティングが合っていなかったか?
TOP FUEL、FUEL EX9に乗った後だけに登りでは足にくる(^^;

TREK SESSION 77      380000円也
DHマシンに近いバイクだが、そこまでの重さ、作動感はない。試乗コースにはちょっとした登りがあるのだが、セッションだけは乗って走りきることができなかった。ま、登りで評価するバイクじゃないからいいか。下りで評価してみたい。

GARY FISHER CAKE 1 DLX 400000円也
FUEL EXの方が楽しめる。FUEL EXの方が角の取れたなめらかな乗り味。これもセッティングの違いか???


という感じでした。
大変ありがたい企画ではあったのですが、それと同時に疑問も生まれてきました。
例えばMADONE 5.9 SLのケース。まったく同じバイクでサイズ違いだったわけですが、あまりに印象が異なるということです。乗った本人も「サイズが違うからなのか、それともセッティングが違ったからなのかわからないけど、とにかく乗り味が全然違った」ということです。
またMTBに関しては近年サスペンションの進化が著しいです。今までのネガを潰すように色々セッティングできるようになり、セッティングさえ合えば最高のポテンシャルを発揮してくれるのですが、セッティングが出ていないとまったくいい印象が得られません。当然です、だってヘニャヘニャ動くのを抑制させるためにシビアなセッティングができ、うまく合えば動いて欲しいときには動くし、動かないで欲しいときにはあまり動かないようにできるわけですが、このセッティングが合っていなかったら・・・・
今時の自転車を試すにはそれこそ細かなセッティングが必要です。今度このような機会があったら、工具とサスペンションポンプくらいは持参するようにします。
ロードだってタイヤの空気圧一つで乗り味は変わるし、それこそブラケットの位置、ハンドルバーの角度が違うだけでも乗りやすくも乗りづらくもなります。ましてや当然サイズがまったく合わなかったら・・・・
で、ここのところ自転車雑誌ではインプレが非常に多いです。消費者にとってはすごく興味のあるところだし、編集する側も乗って印象を語るという手間はあるものの、ほぼ時間内で仕事は終わるでしょうから(悪天候さえなければ)やりやすい企画なのかもしれません。が、セッティング一つで良くも悪くもなってしまうし、サイズなんてそんなに揃えられないでしょうからライダーによって印象はずいぶんと変わってしまうはずです。
しかし自転車は感性で評価すべき物でもあると考えます。乗り味は数字で表すことができないから、それを如何にうまく表現して伝えるかというのが難しいところでもあります。しかし情報が氾濫している世の中、このインプレで物の売れ行きがかなり左右されるとメーカーさん、問屋さんなどからも聞いております。ので、皆様方にはあくまでも参考程度に捉えていただきたいということと、試乗車を提供する側としては最高のコンディションで用意していただきたいというのがあります(う〜ん、うちの自転車もちゃんとした状態にしておかなければ)。

というところで、この日のベストバイクはロードは文句なくMADONE SL 5.9 1号車。MTBは軽い軽いのTOP FUEL 110。そして意外賞がKLEIN REVE XXと言うことでした。結局高いバイクばかり(^^; ま、高い故ってのはあって当然ですね。
今度機会があったら、入門編バイクの試乗会もあったらなぁ。やはり門戸を広げるには入門編が大切ですし。
で、本当はMADONE SSLもあったそうな。ところが雑誌社に持ってかれちゃって・・・・ということでした。う〜ん、悔しいぞ。SSL乗ってみたかった。っていうかインプレッション聞きたかった。

なお試乗会の翌日、たまたまお客様であります”教授”が来店され、たまたま?疑惑の?MADONE SL 5.9をご契約いただきました。
こんどはバッチリセッティング出して評価できます。ので、教授、ここは一つ乗らせてくださいねぇ〜(^^ゞ
でもちょっと私にはサイズが小さいけど。
同時に教授からのインプレッションも期待しちゃおうかな。だって教授は日本一周もされた方なんだもん。それなりのバックグラウンドがあるお方なのです。ちょっとお腹出てきたけど(^^ゞ



2月14日
MADONE SLの疑惑は・・・・
というわけで教授には晴れてMADONE SLを納車できました。
で、納車前に走行チェックするわけなのですが、試乗会レポートを読んでいただいた教授から「組上がったら適当に慣らししといて」と、ありがたきお言葉を頂戴しましたので再インプレッション。
まずはウエブ担当の私が乗り、以下のように教授にメールしました。

今までのトレックのカーボンバイクのイメージを覆すような乗り味でした。トレックのOCLVカーボンってカーボンというイメージから期待する「しなやか」という乗り味とは違い、結構硬い乗り味でした。これは雑誌などでも書かれており実際私も感じました。で、LOOKは逆に「しなやか」という乗り味だったりしました。が、今回のMADONE SL 5.9は今までのイメージを覆すような乗り味でした。
ペダルをグイグイ押しつけてもしっかりしているのは昔と同じ。しかしすっごくしなやかな乗り味。この感覚を忘れてないうちに弟のLOOKに乗ると・・・・
まず重い(^^;
持った瞬間に「軽くない」と感じてしまいます。これでも8キロくらいだったと記憶しているのですが。で、走り出すと「あれ?LOOKの方がゴツゴツくる」。ちょっと意外でした。実際トレック社の場合市場の声などを反映し、継続モデルであったとしてもカーボンの重ね方とかそういうのを変えているそうです。もちろんMADONE 5.9 SLは今年初のモデルですけどね。
以上。

次にLOOK KG481SLのオーナーである弟が試乗。ほとんど私と同じ印象。
うむむむ、時代は流れている。
そして先日教授よりメールが届きました。引用を許可してもらいましたので以下に転記します。

----------ここから----------

マドン快適すぎて走行距離200km。往復で30kmちょいなんで,そんなもんですね。
乗り心地については良い意味で「硬い」感じはしっかり残ってますね。
下りで50〜60km位で下ってるときの微妙なハンドルワークに対する反応が絶妙。平地で30km位でクルージングしてるときも素直に反応してくれるので後輪の位置を気にしながら路面のギャップを抜けて行かなくて良いので非常に楽ですね。
その一方でペダルを踏み込んだときの反動はしなやか,特に登りでフレーム自体のしなりをバネにしている感覚を持てますね!

----------ここまで----------

と言うわけで「私達が買える市販のMADONE SL」の乗り味はほとんどサイコーという乗り味でした。
冒頭にも書きましたように、この試乗会で乗ることのできたバイクはサンプル車ということもあり、実際に私達が買えるバイクとは若干違うところもあるということをはからずも証明してしまいました。確かにSESSIONなどはリンク形状がパンフレットとは異なっていたし・・・・
ましてや今回のMADONE SL、偶然にもあまり良い印象ではなかった2号車と同じサイズだったので大変興味深いところでした。しかしそうなってくると雑誌の試乗記に書かれるバイクと私達が買えるバイクは違ったり(良い意味でも悪い意味でも)する可能性がないとは言えないということでもあります。
というわけでやはり情報というのは参考程度に考えておきましょう。


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