整備日誌    2005年4月編

4月10日
そりゃ世の中に絶対なんて事はない。そんなことは知っている。でも裏切られたときの反動は大きい。特に相手が信頼した相手なら、その反動はすごく大きい。
でも何となく不安がなかったわけではない。なかったわけではないが「こいつなら....」と思ってはいた。しかし裏切られた。
勝手に信頼した俺が悪いのか、それとも裏切ったアイツが悪いのか。とにもかくにも裏切られたのは事実である。
でも過ちは誰にでもある。だからもう一度だけチャンスを与えようと思う。俺だって大人だ。
ただしこれがラストチャンス。もう同じ過ちは許さない。今度こそは俺の期待に添えてくれることを願っている。


4月11日
昨日の整備日誌は、らしからぬ内容で、徒然日誌のような(?)書き方。だけど整備日誌でよいのである。裏切られたことには違いないから。
そう、あれだけ誉めたアメクラのハブがあっけなく逝ってしまったのである。
誉めたには誉めたけど実はちょっと不安がないわけではなかった。というのは、改善前は3つのピンがあったのに改善後では1本のスチールワイヤーに変わっていたということ。
3つあれば2つがダメになっても最後の一個に託すことができるわけだが(でも1個がコケて機能しなくなっちゃったけど)、1つしかないのでは万が一の時にはもう他に頼る事ができないのだから。
というわけで万が一にもあってはならないスチールワイヤーが折れてしまいました。
あってはならないことだけれど、物事に絶対はないので折れることを否定できなくはない。しかし5年や10年後に折れるのならともかく、交換してから2週間くらいで折れてしまっては裏切られたも同然。
そんな私を裏切ってくれたフリーが右写真。上から撮った写真ではスチールワイヤーが折れて(しかも2つ)溝に点在しているのが見られます。横から撮った写真はちょっと見づらいですが、波平さんの毛と例えたスチールワイヤーが折れてしまい、これではほとんどカムにひっかけることができないであろうことが見てとれます。
そう、前回のトラブルではピンがこけてカムプレートを回した状態で固定されてしまったのでフリーが効かない状態になってしまいましたが、今回はワイヤーが折れカムプレートにひっかけることができず、すなわちカムプレートを回すことができず爪が歯に引っかからなくなってしまったのでフリー効きっぱなし、すなわち空回りしてしまうという状況になってしまいました。
何故折れたのか?
焼きが入りすぎていた?材質不良?設計ミス?それとも他に要因があるのか?
で、トラぶってから気づいたのであるが、このスチールワイヤーはフリーにかしめてあるんですね。よってそうそう外れない。し、ワイヤーだけってのは用意していないみたい。のでまたしてもフリー交換。あんなちっちゃな部品の不具合のためにフリー丸ごと替えるなんてアホらしい。と思いつつも交換作業。仕方ない。
と、今、日誌を書いていてふと思った。そうだラジオペンチかなんかでワイヤー曲げてやればとりあえずは使えるじゃん。今頃気づいても後の祭りである。
ま、とにかくこれが最後のチャンスなのである。またしてもすぐに折れるようなことがあったら、これは製品不良と断言するしかないかな。


4月13日
今となっては一世代前になってしまいましたがシマノオクタリンクBB。それ以前の四角テーパーのBBと比べると、ホローテッククランクとの相乗効果もあり明らかに剛性がアップしていました。
さてそんなオクタリンクBB、デュラエース(BB-7700)とXTR(BB-M950)だけは他のグレードとちょっと違う構造になっています。が、後ほどXTRは他グレードと同じような左側が単なるキャップのBB-M952が登場したり、デュラエースも同じ構造のピスト用BB-7710を使うことが多くなりました。
が、重量などを考えると7700やM-950のタイプの方が軽くなっております。
そんなBB-7700のメンテを行いました。
BB-7700(BB-M950も)はオクタリンク形式でありながら他グレードとは異なり左ワンで玉当たり調整をする(しなければならない)BBです。
バラバラにすると右写真のようになります。リテーナーがあるけど容易にベアリングはバラバラになってしまいます。
ところでいわゆる丸いベアリングと細長いベアリングが見てとれます。そう、BB-7700(BB-M950も)にはボールベアリングとニードルローラーベアリングが使われています。
何故にして2種類ものベアリングを使うのか?
ニードルローラーベアリングは字のごとく針のような形状のベアリング、円柱状のベアリングです。通常のボールベアリングとの大きな違いは、ボールベアリングは点で接するのに対しニードルローラーベアリングは線で接します。ので耐荷重性が高くなります。
しかしこのベアリングはラジアル方向の荷重は受けることができるもののスラスト方向の荷重は受けられません。ま、簡単に言えば位置決めができません。ので、両端にボールベアリングを配し適度なプリロードをかけてセットします。

さて耐荷重性が高く、しかもボールベアリングでちゃんと位置決めをしているなんてなんと素晴らしいBBでしょう。これもデュラエースなりXTRだからこそコスト的に許されたものだと思います。
が、なぜにして後から7710やM-952が出たのでしょう?
それは整備性と耐久性、そしてフリクションにあると思われます。
整備性は写真を見ればわかるでしょう、あれをリテーナーに一個一個入れてワンにセットし....なんてやるのは面倒です。
では耐久性とは??耐荷重性が高いのがニードルローラーベアリングの利点にも関わらずなぜ??
それは異物混入に弱いのです。
考えてもみてください、BBシャフト上を円柱状のベアリングが転がるわけです、もし異物が混入したらどうなるでしょう?シャフト上を線接触で転がるわけですからいつも異物に干渉することになります。それが原因でシャフトが傷ついたり、もしくはベアリングが傷ついたらどうなるでしょうか?スムースな転がりは期待できません。
ですのでそれなりにちゃんとしたシールがされています(写真には写っていないけど)。
しかし上記写真のシャフトの当たりを見ると当たりはバッチリと言うほどではありません。それでもこのBBはかなり良い方です。シャフトに当たりの不均一は見られてもキズや凸凹は確認できないしベアリング自体もきれいでした。
そしてフリクション。通常のベアリングと異なり線接触ですので接触面積は大きくなり抵抗も大きくなります。これがフリクションの原因になります。実際このBBはガタがなく、しかしスムースになるように調整することが至難の業というかできないと言っても過言ではありません。ま、プリロードと考えれば多少回転が重いのは許されるのだと思いますがこと競輪用となると、この方達はプロです、ハブのちょっとした回転の違いやフレームのバテッドの違いを体感し評価してしまうほどの方達です、重いBBが歓迎されるとは思えません。ので、ピスト用は他グレードと同じタイプになっているのだと推測します。
おそらくシマノも上記の事柄をそれなりに改良したのでしょう、同じパーツ品番でも徐々に改良されたようで、たしか3種類くらいあったと記憶しております。
しかしそれでも根本的な解決には至らなかったのでしょうね、7710やM-952が出たわけです。
雨の中のロードレース、マッドコンディションのクロカン、どう考えても異物混入の恐れを否定できません。それに7710やM-952の方が簡単に装着できるし価格も安かった?と記憶しております。ので以降は主流がこっちになってきたのでしょうね。
でもデュラエースやXTRにとって軽さは正義です、しかも志はなかなかに高いBBです、BBだけでこうやって何文字も書き連ねることのできる7700やM-950は好きです。思想は好きですがやっぱメンテが面倒なので....
と書きつつ、私の通勤号がM-950であることを思い出した。メンテは....ここ数年やってない....開けたらそれなりだろうなぁ....知らぬが仏と言うことでまだ開けないことにしよう。メンドウダカラ
でも大丈夫、シマノさんはこんな小さな部品もちゃんと補修用として出してくれるから。
どうも自分の自転車っていじる気になれないんだよなぁ....リキッド号のリアサスも外したままだし。
以上私の独断によるBB-7700論でした。


4月24日
本日のお話は徒然日誌に書こうかと思ったが、YMNKC氏の強い要望により?整備日誌に書きます。
昨日のことでした、いつものように出勤前に自宅にてパソコンでちょっとお仕事。出勤間際にあわててパソコン(ノート)切ってそのままカバンに入れてお店まで。開店の準備と共にスイッチオン。開店準備している間に立ち上がり、いつものごとくエクスプローラーも立ち上げる。が、反応しない。CTRL+ALT+DELもイマイチ反応しない。イヤな予感が....
と、ここまで書いてきてごく一部の方はこの後の顛末に気づくかも。同じ穴のむじなな方は。
在庫表も出せない、メールチェックもできない、顧客リストも出せない、ホイール組むにもデータがわからない、スポーク長計算もできない。
とにかくパソコンが使えないとかなり不便。
仕方なくリセット後再起動。が、むなしく同じ顛末。セーフモードで立ち上げ1週間くらい前に修復しようにもかなり遅い。そして電源切ることもできない。かなり焦る。またまたまたまたまたまた再インストールか????
とにかく仕事の合間を縫っては復旧作業。が、どうにもならない。
そのうちにパソコンに詳しいYMNKC氏登場。状況を話すと見ましょうか....いや診ましょうかのありがたい一言。ここはプロに任せるべきと思いお言葉に甘える。最悪再インストールする覚悟はできていますとお気軽にこたえたら、「それだけはさせないで解決する」となんとも頼もしい一言。もし私が女性だったらこの人に捧げてもいい....と思っちゃうほど頼もしい一言でした。
「何やりました?」と聞かれ、実はアクロバットリーダーを7.0にしてから重くてそれを6.0に戻したり、デフラグしようとしたらCドライブの領域が少なくて具合良くないとか、オーディオ関係のフリーソフトをダウンロードしたとかここ数日のことをお話しした。
ただ、ついさっきまで、自宅ではちゃんと動いていた。それが店に来てスイッチ入れたらおかしくなったとも。
さすがにプロは対処の仕方が違う、要因と思われる物を一つ一つ潰していき核心に迫る。まるで自転車屋さんがやる異音確認のようだ。
途中からMADONEの教授も参加してくれ、どうやらSYSTEMがCPUをえらい喰っているということを突き止めてくれました。が、それは何か変だとも。とりあえず常駐物や余計なソフトをどんどんアンインストールしHDDの領域を確保&負担を軽くしてやる。しかしSYSTEMはそういじれるところではないので、ではなぜSYSTEMがこんなにCPUを占有するんだろう?と色々考える考える。
そうこうしているうちにテレビでJRや飛行機会社のパソコンがどうにも動作が遅くえらい大変なことが起きたなんてやっていた。「おーおー、同士だぜ、ここにも苦しんでいる人がいるんだよ」なんて3人ではっはっはと笑っていたら、「この件に関しましてトレ○ドマイ○ロ社は....」等と言っている。えっ、俺のパソコンそこのソフト入っているんだけど....と言うことになり、何がどうしてそのようなことになるか知りたかったけど肝心のパソコンがこんな状況じゃ知る由もないので、弟のノートを持ち出してトレ○ドマイ○ロ社のホームページに繋ぐと....なんでもしょっちゅう更新されるパターンファイルのうちで、”この日の午前7時半頃更新されたファイルをインストールするとコンピューターの動作が著しく遅くなる”等と書いてある。をいをい、冗談じゃないゼ、まさしくそのころパターンファイルアップデートしたし、今まさしく私のパソコンがその状態じゃん。
パターンファイルはしょっちゅう更新されるのでそのことはYMNKC氏には報告しませんでした。ただこれはSYSTEMに寄生してしまうものなので「どうにもしようがないよ」ということでこの会社からの修正方法を試すと....うれしいことにとういか腹が立つことにというか直った。
それにしてもこの件に関しこの会社からはもうしわけございませんでしたの一言がウエブに書いてある程度である。
この間に要した労力、そして時間的損失、更に場合によっては再インストールしちゃった場合の労力などを考えると「ごめんなさい」で到底すまされる物ではないと思う。誰か集団訴訟しないかな。私ものります。それこそJRや航空会社などから損害賠償などされたら...
本日来られたTRさんなんか他社に乗り換えようかなともおっしゃっていた。
まあ、それにしても質の悪いウイルスだった。シマンテックから対策ファイルでも出ていないかと思わず見ちゃいましたよ。
ともあれ、YMNKC氏及び教授には大変お世話になりましたm(_ _)m
と言うわけでパソコンの整備日誌でした。

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