整備日誌    2005年9月編

ヘッドチューブ 表 ヘッドチューブ 裏

9月3日
さて右写真は、ジャイアントSTPのヘッドチューブ。ちょっと気になったので題材に。
ヘッドチューブ表の写真をじっくり見ていただきたい。よーく見ると銀色のバッチがただ単に貼り付けられているわけではなく、ちょっと埋め込まれているのに気づくはず。
次に隣のヘッドチューブ裏の写真を見ていただきたい。
これまたよーく見るとちょうどバッチと同じ型で打たれているようになっている。
私は生産技術的なことはよくわかりませんが、アルミをこんなにきれいに、しかもシャープエッジにプレス(と思われる)しているのを初めて見ました。
材料のことはあまりよくわかりませんが一般的にアルミは降伏点は低いが(変形させやすい)しかし伸びは少ないので、このようにシャープにプレスするのは難しいと思うのですが....
しかもプレスによって変形させないようにしなければならず(特にワンがはまる付近)、できるからこそこのようなことをしているのでしょう。
それにしてもこんな事をしても自転車として組んでしまえばわかるわけでもなく、使用上特にメリットはありません。
ならば普通ならコストダウンのためにまず第一に省かれて当然のはずですが、こんな風になっているとなんかメーカーの余裕さえ感じてしまいます。
それともこれって製造時にパイプをホールドしたり、もしくは位置決めとかの役目を果たしているのかな?
考えすぎ???


9月12日
まだ使って1年も経っていないREBAのオーバーホールを依頼されました。使用状況としてはメインは山遊び、たまに富士見で軽くダウンヒルなど、まあREBAの想定されるような使用状況ではないでしょうか。
インナーチューブ径が32ミリになり剛性アップされ、想定されるような使用状況、そして1年未満のオーバーホールということで、それはそれで興味あります。なお特に不具合は感じないとのこと。
と言うわけでまずはオイルを排出。
とってもきれいです。の割に水が混入したように分離しているところがありますが....スミマセン、これパーツクリーナーを吹いたやつがオイル受けに入っちゃったからで、入っていたオイルはまったく問題ありません。
そして隣がバラしたフォーク。
ま、これも特に問題はありませんでした。
と言うわけで次回に続く。


9月21日
REBAのウリは何と言ってもモーションコントロール。モーションコントロールはコンプレッション側のダンピングを制御しているわけですが、これは前回窓が開いています。ダンピング最弱。窓が閉まっています。ダンピング最強。じっくり見ましたので、今回はリバウンド側を見てみましょう。
というわけで右写真がリバウンドダンパー。
真ん中に小さな穴が開いております。ここの面積を変えることで油量を制御しリバウンドダンピングの強さをコントロールしております。
見づらい写真ですが左側がダンピング最強の状態、右側が最弱の状態。
なお、この写真ではわからないのですが、オイルはこの小窓と、グレイのリングとインナーチューブとの隙間、そしてこの黒いバルブを通って発生します。
う〜ん、構造的にはサイロやSIDに採用されるPUREダンピングシステムのリバウンドダンパーの方が好きだなぁ....
実際REBAと同じ構造を持つPIKEでいつもの通勤路の階段を下りていくと、心なしか高速域の減衰力が弱いような気がします。が、気がするだけかもしれないし、コンプレッション側の問題かもしれないし、他でコントロールできるかもしれないけど。


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