整備日誌    2011年8月編

8月3日
何があったわけではないのですがずーっと更新さぼってました。
m(_ _)m
いつものごとく「忙しく…」というのが言い訳なんですが…

さて久々の話題はリアショックアブソーバー。
ロックショックスのDH用ユニットVIVIDにはロースピードコンプレッション調整機構の付いたR2Cと付いていないR2の2種類があります。
どんな違いがあるか確認しました。
右写真の青い方がR2Cのロースピードコンプレッションピストン。
黒い方が調整機構のないR2用の…うーんと単なるカバーというかキャップ。
R2Cはちゃんとオリフィス状になっていて、そこに流入経路を絞るテーパーのアジャスターが出入りしコンプレッションダンピングを調整するのに対し、R2のは単なるキャップと言っても過言ではない物が装着されています。
この差はでかい。

見えにくいですが、写真中央あたりにオイルの通路があります。ついでに書き加えますと、ショックボディとリザーバータンクは下部に通路があり繋がっているのですが、通常時リザーバータンク内にはオイルは入っておらず圧縮空気で満たされています。
ショックユニットが縮むことでリザーバータンク内にオイルが流入します。
なのでここで減衰力調整するのはすごく自然なことなのに…
線を堺に上がR2のシム、下がR2Cのシムメインピストンのオリフィスでも基本的にはメインピストンのバルブで減衰を行います。
バルブには右写真のようにオリフィスがあり、これで流量規制を行い減衰力を発生させています。
更にシムを用いストローク速度にあまり依存しない減衰力の発生を行っています。
それにしてもビルシュタインもビックリ?というくらいの数多いシム。
こんなにあって本当にちゃんとそれらが意味あって機能しているのか?と思えるくらいの数量。
もちろん必要だからこそこれだけの枚数なのでしょうが…
フロントフォークもこのノリでシムを使ってダンピングコントロールして欲しいです。
なお写真中央あたりを堺に上がR2の物、下がR2Cの物です。
下位グレードのR2の方がシムが多い=緻密な制御をしているように思えますが、ロースピードコンプレッションのダンピング調整ができない分シムを更に多くして機能的に補っているそうです。

今回は写真が少なく今ひとつイメージがつかみづらいかもしれません。m(_ _)m



11月20日
またまた久々の書き込みです。

今となっては懐かしささえ感じるBB-7700。
9SPEEDS DURAACE初期の物ですね。
耐荷重性の高いニードルローラーベアリングを使用したところが特徴です。
同様にXTRでもBB-M950(だったかな?)でこのタイプを使用していました。

点接触のボールベアリングに対し線接触のニードルローラーベアリングは接触面積が増えるので耐荷重性が高くなるというメリットがあります。
その反面それなりの精度が求められるし、異物混入に対しては弱い一面もあります。
また構造上、軸方向のプリロード調整ができません。
が、このBBではボールベアリングをも使いプリロード調整ができるようになっています。

さて過去の日誌にも書いたと記憶しておりますが、ほとんどの物がバラすと軸が荒れていたりでスムースな回転が得られない物が多かったのですが、このBBは状態としては良い方でした。
それにしてもBB-7700、面倒です。
写真のようにバラすことができフルにメンテナンスできるのはいいのですが、部品点数が多く時間のかかることかかること。
また埃などの侵入も避けたいので結構気を遣います。
思想の志は高いけれど、整備性、耐久性などが現在主流の物と比べると神経質です。
机上の理論通りに行かずフェードアウトしていったBBなんでしょうね。

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