整備日誌    2020年10月編

10月5日

漕いでいたら突然バキッと音がして、以降フリーが空回りしてしまったと言うことで状態を見てみました。
物はFULCRUM RACING QUATROです。

いきなり作業前後。左が作業前で右が作業後。
作業前はフリーの爪が起きていませんが作業後はしっかり起きています。
こうじゃなきゃフリーは引っかかってくれません。
 
その原因はこれ。
真ん中に二つに割れた細い物があります。これフリーのスプリングです。
指に持っている物が新品。本来はこのような状態です。
しかしとても細いスプリングで、耐久性よりフリクション低減を重点的にしているのでしょうね。
実際スプリングを取り寄せると5個入りになっています。
それだけ頻繁なメンテを想定しているのでしょうね。
フリーボディです。
爪の収まるところを拡大しました。
R状の所に爪が収まります。

フリーの爪です。
真ん中だけあえて裏返しにしております。
爪のR状のところが左写真のフリーボディのR状の所に収まります。
そしてその上からスプリングを入れます。
爪の真ん中に溝がありますのでスプリングは溝に入ります。するとスプリングの張力で爪を押し起こし一番上の写真のように爪が元気に起き上がります。
するとフリーがハブの内側に噛み駆動力が伝わります。
クランクを逆回転させたときにはハブ側のギザギザが爪の先端を叩くので空回りします。
このときの音がフリーの音ですね。
フリーが収まるハブ側。
ハブ軸の奥の方に見える白いのは現行のカンパグリスの色です。
手前側は汚れてこんな色になっています。
蛇足ながら以前のカンパグリスは透明でジェルのような感じで、剪断にはあまり強くないような感じでした。。
もっと前はピーナツバター色でしたね。



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