徒然日誌    2003年2月

2月1日(土)
これから書くのは愚痴である。
自転車屋さんの秋は忙しい。と言うか休みがない。翌年度モデルの展示会やらでほぼ毎週何かしらあるから。何度も書いているかもしれないけどこの時期はイヤだ。純粋に休みを取ることでもできないし、もちろん自転車遊びもできない。
俗にニッパチと言われる2月と8月は、様々な業界でも言われるように売り上げの落ち込む時期。その時期を狙って展示会を行うディーラーもある。このように考えるディーラーが増えてくるとこの時期も毎週展示会になったりする。事実先週から5週間練チャンで何かしらの展示会がある。結局ずーっと休みなしになっちゃう。あーあ、憂鬱。
しかもどんなディーラーでも毎回やる場所はだいたい同じだから飽きてくる。たしかに人を集めるには東京は便利なところだけど、せっかくのアウトドア系なんだからたまには高原とかそういう所でやってくれないかなと思ったりもする。そしてその地の利を生かした試乗コースなんかあったりして....なんて最高である。見るだけではなく乗れれば少なからずフィーリングをお客様にお伝えすることもできるし。”来場の際にはグローブ、ヘルメット、シューズなどを持参してください”なんて注意書きがあるくらいならサイコー。こんなのだったら休みの日に仕事と遊びを両立できていいなぁ。どこかやってくれないかな。←ムリムリ。
それはそうと一体365日のうち何日休めているのか計算してみたくなることがある。まあ計算したからってどうなるわけでもないけど。
長々とスミマセンでした。

2月6日(木)
噂というのは本当に広がるのが早い。特にそれがビッグニュースだったり、信憑性の高い話しだったりすると猛烈な勢いで広まるようだ。
僕がその話を聞いたのは2月4日のことだった。友人でありお客様でもあるFKSMが4日の夜僕にメールで教えてくれた。ホントかよ、マジかよ?と思いつつも情報収集した。
翌5日はある問屋さんの展示会。同業者になにげにこの件につき話しかけてみると「どうやらホントのようですね」と知っているようであった。正式リリースはたった二日前の2月3日だっていうのに。本日もある同業者の方とお話をしていたら、この方もご存じであった。
そしてみんななにかしらこの件につき、「直接関係する知り合いはいないけど、〜に関係している知人がいるから....」と情報収集に余念がない。かく言う私も「公にできる話があれば教えてね」と友人を打診した。きっと社内では大変なことになっているのでは??
既に知ってる人は知っている、知らない人はきっと驚く?でしょうから一応リンク貼っておきます

2月14日(金)
1年くらい前、自転車組合の方から今すごく伸びている焼き肉屋さんがあると聞き、その方にまつわる話を読んだものだからそのお店に行ったことがある。その時はどんな焼き肉屋さんなのか、どんな味なのか、どういう経営方針なのかを感じたくって、近所にフランチャイズ店があるにもかかわらずわざわざ三軒茶屋の本店まで食べに行ったことがある。
元不動産屋さんだった代表取締役の方曰く、「専門知識がなくても仕事ができるように加工業者に仕込みなどは任せる、最上級は目指さない、不具合があればすぐにカイゼンする」などと言っていた。
いざお店に行ってみると、店内が暗い(幼い息子はちょっと気味悪がっていた)、足下が寒い(同じく息子は寒い寒いを連発)、卓上にある煙を吸い込む配管には埃が付着しまくり、挙げ句の果てには向かい席の配管の上には雑巾が置いてあった。
それよりなによりもっとも驚いたのはタン塩。まるでサラミの親分か太巻きのようにいかにも加工しましたと言わんばかりの薄くまん丸なタン。焼き肉ってこんなになっちゃったんか....と落胆。味も代表取締役の方が言うようにとても誉められたものではなかった。そして決して安いわけでもない。けどお客さんはどんどんきていた。なぜウケているのか理解に苦しんだ。
その半年後くらいに近所の別のフランチャイズ系の焼き肉屋さんに行った。上記のお店よりはいいものの、やはりサラミの親分のようなタン塩には落胆させられた。
今や焼き肉屋さんってこんなもんなの?と思っていたわけだが、ある焼き肉屋さんはウマイとまわりから好評であった。そんなにウマイのか?大変興味を持ち先日行った。
店内は明るいし埃もない、そしてうまかった。本当においしかった。おかげでずいぶん食べちゃった。
肉は軟らかいし、タレはおいしいし、塩ダレもありがちな単なるレモン汁みたいなものではなく変に酸味ばかりではない。キムチも辛すぎず大変美味しく食が進む。そして対面したタン塩はちゃんと肉の形をしていた。ホッとした。いや、ホッとするまもなく食べ尽くした(^^;
色々食べ尽くし、テイクアウトまでしたにもかかわらず、結構リーズナブルな価格であった。
昨今の外食産業は競争が激しく、いかに安く我々庶民に提供するかがキーポイントになっている。焼き肉、寿司、フレンチ、イタリアン等々。昔からするとどれも考えられないような価格で提供されている。が、あまりの価格競争故、味だけは、雰囲気だけは似ているという程度の物になってきてしまったように感じられる。本物を知らずしてそれを語っていないかと恐れてしまう。
同じようなことが自転車にも言える。値段につられてディスカウントで売っていた29800円のMTBを買って「これがマウンテンバイクか」と思われては非常に悲しい。と言うかもったいない。もしその方が本物に乗れば「楽しい」と思ってもらえるかもしれないのに、偽物で「こんなもんか」と判断されているのではないかと危惧する。
ちなみに、自転車業界では上記のようなMTBもどきを”ルック車”と呼んでいる。MTBみたいだからMTBルックなのでルック車。
これは普通の自転車をMTB風にしただけであって良いフレームやパーツが使われているわけではないので軽くはなく、よって乗って楽しいとは思えない。
偽物つかまされていませんか?本物は楽しいよ。

2月15日(土)
私のくじ運は悪い、。たいがい外れる。けど、なぜか自転車関係に関してはくじ運がよい。先日のジャイアントTCR COMPOSIT GOLDはまさに当たりくじを引いたものである。
が、先日とんでもないはずれくじを引いてしまった。
箱開けて組みだした。ちょこちょこ組んでリアブレーキの調整をしようと思っていたら、異様にホイールが右に寄っている。フレームのセンターが出ていないのかな?と思いつつホイールを回すとホイールの振れが尋常ではない。まずは振れ取りから。が、尋常ではない振れなのでイヤな予感が。案の定いくらやっても振れは収まらない。フレームの方もちゃんとセンターの出ているホイールを入れてみると明らかにセンターがずれている。
頭にきて取引先に連絡して代替品を送ってもらった。が、これのリアホイールも尋常でない振れ方。幸いにしてフレームの方は問題ない。取引先にホイールが全然ダメだと電話しても「また違うのを送っても同じようになりそうですね」と他人事のように言われた。ただ、最初のやつも2台目もフロントホイールは大丈夫そうなので、初めのやつのフロントホイールをバラしてリアハブと組んだ。ら、まあOKではあった。
ご存じの通りリアホイールは左右のスポークのテンションが異なる。それ故か機械組みでかなり適当に組まれていたようでリムが塑性変形しちゃったのかな?そんなことになるのかな?ま、無事組終えてお客様にお渡しできたからいいものの、この忙しいときにずいぶんと手間暇かける作業をさせてくれたものだ。この代償は当たり前だが扱い元に請求する。
さて昨今通販が流行っているが、自転車の通販も取引先とは禁止されているはずの箱売りが結構乱発している?ようである。箱売りとは取引先から入った自転車をそのまま何も手を付けずに横流しすること。
その手を買った人には、今回の私のようになってないのを祈るのみであろう。ま、これは買った方にも売った方にも責任があるわけだけど。
10年くらい前の某メーカーは4台に1台はフレームセンター出ていなかったもんなー、今は改善されたけど。今思うとあのNGバイクってその後どうなったんだろう?格安でどこかに卸したんかな??

2月23日(土)
私のパソコン歴はウインドウズ3.1あたりにさかのぼる。世間では386から486に....なんて頃だった。33MHzの486SXとかいうやつで、メモリは増設して12MBだったと思う。今では考えられない話し。このころはなんだかよくわからないながら顧客管理に使っているというものだった。
本格的に(?)初めてみようと思ったのはウインドウズ95発表の頃だった。これからはコンピュータができなければと思い自腹をきって30万くらいで買った記憶がある。ペンティアムの120MHz、メモリは標準で8MB、増設して16MBだったと思う。たしか30万くらいだった。このころパソコン通信なるものを初めてみようと思っていた。ちょうどインターネットがはやる頃の話し。しかしモデムは付いておらず、28800bpsの物を2万ちょっとで買ったと記憶している。それこそ雑誌で紹介されているホームページなんていうのはNTTとか通信関係の会社くらいだったと思う。
インターネットなんてよくわからないからまずは聞いたことのあるパソコン通信というやつをはじめてみようと思った。常時接続なんて一般的になるとは思ってもみなかったこの頃、4時間接続で会費は3000円くらいだったと記憶している。とにかく通信は10円で終わらせようとオートパイロット(なんか懐かしい)なんかを使っていたっけ。
ようやく本題。
当時はモデムのスピードも遅かったしサーバーの容量も今とは比較にならないくらい小さかったのでしょう、私が利用していたNIFTYには暗黙のルール?みたいなものがあった。
”引用は本文の半分以下にすること”

パソ通(メール)していると相手のメール内容によってこちらもそれに対してコメントを付けますよね、その引用をなるべく少なくせよと。理由は上記の通り通信速度とサーバー容量によるものと思われる。そうやって必要なところだけを抜粋しそれについてのみ返信するというルールだった。このタイプの欠点は、内容を抜粋するために徐々に話の焦点がずれてくることがあること。
ところがインターネットが流行ってきて通信速度とサーバー容量が増えてきたら、返信メールは自分のコメントをバーッと書いて最後に相手の引用をそのまま残すということが多くなってきた。
私のようにくどいメールを書くような人間とメールをやると、引用に次ぐ引用で本題より圧倒的に引用が多くなってしまい効率が悪く思われる。よって私はパソ通方式の引用方法をとってメールを書いているし今後もそうすると思う。
面白い物で、やはりパソ通時代からメールをやっている人はこのような引用方法をとる傾向のようだ。返信と言うからには相手のコメントに対するこちらのコメントを書くことが主題なわけで、引用の方が多いのはなんか変だと思うので今後も私はパソ通方式でメールを行うつもり。まあどちらが正しいというわけではないのだろうけど。

2月28日(金)
最近とみに思うのだが、近年のカーボンバイクは出た当初と比べてすごく変わったということ。我々が”カーボン”と聞いて思わず期待しちゃうのがやはり振動吸収性の良さ。しかし自転車フレームとして考えた場合コギの力も吸収されてしまうようでは困る。で、最近のカーボンはここら辺の両立がすごくハイレベルな次元で成り立っていると感じる。
思えば当初のカーボンは丸パイプであった。おそらく経験値も少ないものだからとりあえずクロモリをカーボンに置き換えただけの物だったのだろう。製造上丸くせざるを得ない鉄パイプと違い、カーボンは本来どういう形にでもなり得る素材。しかも方向性のある素材故にカーボンクロスの配置如何によって強くも柔くもできる。自転車のフレームを考えた場合入力の方向が360°全て同じはずもないだろうし、強くしたい部分、柔くしたい部分というのはあるはず。それを丸パイプでやるなんて今思うと非常にもったいないことをしていたとも思える。
さて、近年のカーボンバイクだが丸パイプで組まれた物など一つもないと思う。モノコックを筆頭に、パイプ状の物でもまん丸な物などなく、扁平、異形加工など当たり前、なると状だったり三角形、四角形五角形....状のものまで色々ある。おそらくヨレさせたくない方向と吸収させたい方向がかなり解析されてきて、その結果どうりにうまくカーボンを配置させることができるようになってきたのではと思う。これこそ方向性を持つカーボンの特性を最大限に利用していることではないか。
よって、最近のカーボン車はとっても軽く衝撃吸収性がよくって漕げばグイーンと加速する。ホント感心しちゃう。
これから先、更にどのように進化していくのか?もっと軽く、もっと強くかな。と言うとカーボン+ハニカムなのでしょうか?既にトレックがやっていますね。興味津々です。

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